ビタミンのまとめ
看護の国試に頻出なビタミンの欠乏症について忘れやすいのでまとめました。
一度覚えたと思っても、すぐに忘れてしまいなかなか覚えられないので自分の備忘録的なものになります。
ビタミンの表
ビタミンとは生体にとても大切な有機化合物で栄養素。
とても微量であり、体内ではほとんど合成されなく食事などから摂取しなければならない。
大きく脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられる。
水溶性ビタミンは水に溶けやすいビタミンであり、たくさん摂取しても尿と一緒に排泄されるため過剰症は引き起こしにくい。
脂溶性ビタミンは水に溶けにくく脂肪や肝臓に蓄積し、尿として排泄されないため摂りすぎると過剰症を引き起こす。
ビタミンA
網膜の杆体のロドプシンの合成に使用されるため、不足すると暗順応が低下する夜盲症になる。
また、皮膚や粘膜の形成にも関与しており、不足により角膜軟化症や皮膚の乾燥、免疫力低下にもつながる。
ビタミンE
強い抗酸化作用で細胞膜などの酸化防止に役立っている。
赤血球などの膜の抗酸化もしていて、不足すると赤血球が酸化により溶血しやすくなり溶血性貧血につながる。
抗酸化作用によりお肌に良いらしい。
ビタミンD
日光(紫外線)を浴びることで体内で合成される。
腎臓や肝臓で活性化される。
腎尿細管や小腸でCa(カルシウム)やP(リン)の吸収を促進する。
くる病/骨軟化症
くる病は小児、骨軟化症は成人にみられる骨の石灰化不全。
筋緊張低下やけいれん、ほかにも特有の身体所見がみられる。
ビタミンK
血液凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)を肝臓で賛成する際に必要。そのため欠乏すると出血傾向となる。
また、新生児では胎盤を通りづらく母乳に含まれる量も少ないために欠乏症である新生児メレナなどを起こしやすい。
そのためビタミンKのシロップの投与がされる。
新生児メレナ
新生児に出血傾向による消化管出血によりコーヒー残渣様の嘔吐やタール便などの症状がでる。
今回のビタミンK不足によるこの症状を真性メレナ。
分娩の際に母親の血液を多量に飲むことでこの症状が現れることがあり、それを仮性メレナという。
ビタミンB₁
糖代謝・アミノ酸代謝に使われる。そのため不足するとエネルギー不足にもなり脚気につながる。
脳では糖によるエネルギーを多く使うがそれが不足することにより代謝障害としてウェルニッケ脳症を起こしてしまう。
脚気
ビタミンB₁不足により多発性の末梢神経障害や心不全、感覚障害、膝蓋腱反射の消失、浮腫、食欲不振、倦怠感などがみられる。昔は脚気になってしまう人も多かったが、今は激減している。
ビタミンB₂、ビタミンB₆
B₂は脂質・タンパク質・糖質代謝などの酸化還元酵素の補酵素。
B₆はアミノ酸代謝に関わる酵素の補酵素。
ビタミンB₁₂
核酸(DNA)の合成に使用されるビタミン。
不足すると核の合成がうまくできず巨赤芽球貧血をおこす。
また、ビタミンB12の吸収には胃酸や壁細胞から分泌される内因子が関与しているが、胃の全摘や胃粘膜の萎縮により同様の貧血が起こされる。
萎縮性胃炎により引き起こされるものは悪性貧血と呼ばれる。
巨赤芽球貧血
ビタミンB12や葉酸が不足すると核の成熟ができなくなる。
しかし、細胞質は発達するため赤血球になれない大きな赤芽球(巨赤芽球)になってしまう。
巨赤芽球は壊れてしまうため(アポトーシス)成熟赤血球は減少し貧血になる。
症状としては貧血症状・消化器症状・神経症状がある。
葉酸
巨赤芽球性貧血についてはビタミンB₁₂とほぼ一緒。
症状としては貧血症状・消化器症状がある。
ただしビタミンB₁₂のような神経症状は出ない。
ビタミンC
抗酸化作用、コラーゲンの生成や胃で鉄の吸収に関わる。
壊血病
ビタミンCが極度に不足することでコラーゲンの不足により組織のつながりや骨の生成や保持が障害され、体内のいろんな器官で出血が起こる。
長期間の航海に出る船乗りがなったといわれる。
国家資格過去問
第101回
問題
ビタミンと欠乏症の組み合わせで正しいものはどれか。
1.ビタミンB₁ーウェルニッケ脳症
2.ビタミンCー脚気
3.ビタミンDー新生児メレナ
4.ビタミンEー悪性貧血
正解 1.ビタミンB₁ーウェルニッケ脳症
ビタミンB₁欠乏症では、脚気、ウェルニッケ脳症などが生じる。
2.ビタミンC
ビタミンCが欠乏すると壊血病になる。
脚気になるのはビタミンB₁である。
3.ビタミンD
ビタミンDが不足すると、くる病や骨軟化症になる。
新生児メレナになるのはビタミンKの欠乏症である。
4.ビタミンE
ビタミンEが不足すると筋肉や末梢神経障害になる。
悪性貧血になるのはビタミンB₁₂欠乏症である。
第105回
問題
食事摂取基準に耐用上限量が示されているビタミンはどれか。2つ選べ。
1.ビタミンA
2.ビタミンB₁
3.ビタミンB₂
4.ビタミンC
5.ビタミンD
正解 1.ビタミンA 2.ビタミンD
ビタミンAとビタミンDは脂溶性ビタミンである。水溶性ビタミンは水に溶けるため尿と一緒に排泄されやすいが、脂溶性は身体に蓄積されやすく過剰症をおこしてしまうことがある。
ビタミンAは過剰症に頭蓋内圧亢進や肝障害、ビタミンDは腎障害や高カルシウム血症をきたす恐れがある。
脂溶性ビタミンには他にビタミンE,ビタミンKがある。
ほかのビタミンは水溶性ビタミンである。
第107回
問題
ビタミンと生理作用の組合わせで正しいのはどれか。
1.ビタミンAー嗅覚閾値の低下
2.ビタミンDーFe吸収の抑制
3.ビタミンEー脂質の酸化防止
4.ビタミンKー血栓の溶解
正解 3.ビタミンEー脂質の酸化防止
ビタミンEには抗酸化作用があるため、脂質の酸化防止の作用がある。
1.ビタミンAー嗅覚閾値の低下
ビタミンAは視細胞の杆体をつくるのに使用されるため、不足することにより夜盲症になる。
2.ビタミンDーFe吸収の抑制
腎尿細管や小腸でCa(カルシウム)やP(リン)の吸収を促進する。
4.ビタミンKー血栓の溶解
ビタミンKは肝臓で血液凝固因子であるプロトロンビンを生成することに使われる。そのため不足すると出血傾向となる。
まとめ
ビタミンは似たような名前が多くて覚えづらいためまとめました。
頻出なのでおぼえていきたいですね。
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